ホンダ・シティ(AA)
前輪駆動、横置きエンジンというこのカテゴリーでは伝統のレイアウトながら、比較的縦長のシートアレンジで大型車並みの足元を作り出したのは斬新であった。 また、クラストップレベルの低燃費を実現し、日本国内での販売に大きな成功を収めた。 しかし、日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、トヨタの高級車ソアラに惜しくも敗れ、受賞は逃した。 エンジンはシティ専用に設計されたCVCC-II型1,231ccの4気筒「ER」。 シティ」の小さなラゲッジスペースに収まるように設計された50ccの「折りたたみ式」スクーター、「モトコンポ」ともセットで販売された。 当初は、よりスポーティなRバージョン、経済的なEバージョン、2種類の商用バンバージョン(Pro)が導入された。 1982年9月には、ホンダERエンジンのターボチャージャー仕様がラインアップに加わった。
Pininfarinaのデザインで1984年8月に登場したドロップトップ・カブリオレは、ターボII「ブルドッグ」のワイドトラック、フェンダー、大型バンパーを利用しているが、通常は自然吸気67PS(49kW)エンジンにしか設定しないものだった。 このワイドトラックモデルは「AA」ではなく、「FA」と呼ばれた。 カブリオレは、ガラス張りのリアウインドウや、ハッチバック仕様にはない12色のパステルカラーなど、装備も充実していた。
1985年3月の軽改良で、非対称グリルが追加され(ただしカブリオレは非搭載)、インテリアも一部改良された。 EとEⅡはEⅢに、廉価版のUがラインアップに加わった。 Uは日本国内では非商用車のシティで唯一4速マニュアルが設定された。 AA型シティの自然吸気エンジンには、量産車として世界初の繊維強化アルミ合金製コンロッド(以下、FRM)が採用された。 その1ヵ月後、Rには2、3、4速に電子制御オーバードライブを備えた、いわば7速のハイパーシフト・トランスミッションが設定された。 シートから音の振動を伝える「ボディソニック」など)高音質ステレオを組み込んだ「Rマンハッタン・サウンド」仕様もあった。 Eシリーズ(E、E 1、E II & EIII、Eはエコノミーの意)は、ハイギアードトランスミッションやトリップコンピューターを採用して燃費を向上させた。 E IIIはFRMコンロッドに加え、電子制御式可変リーンバーンエンジンを搭載した。
シティ・プロ(VF)編集部
日本ではプロと呼ばれる商用車で、2人乗りと5人乗り(プロT/F)があった。 プロはブレーキブースト(1985年のマイナーチェンジまで)とトランジスタイグニッション(2馬力ダウン)がなく、また5速MTもなかった。
輸出編
シティの輸出は自然吸気のハッチバックとバンタイプのみであった。 ヨーロッパでは1982年から1986年まで販売されたが、一般に価格が高すぎて競争にはならなかった。 欧州のジャズは4シーターに分類され、燃料グレードによって45PSまたは56PS(33kWまたは41kW、44PSまたは55PS)が用意されていたに過ぎない。 1985年初頭には、ホンダマティックを搭載したモデルもヨーロッパ市場に登場した。
シティはオーストラリア(当時のオーストラリアの輸入制限と乗用車の設計規制を回避するために2シーターの「バン」形態)およびニュージーランド(現地で組み立てられた)でも販売された。 オーストラリア仕様は、47kW(64PS)/5000rpm、10.2:1圧縮、ツインスロートキャブレター、スーパー燃料仕様であった。 日本のシティ・プロ-Tカーゴモデルによく似ているが、日本仕様が300kgまでしか積載できないのに対し、オーストラリア仕様は370kgまで積載可能だった
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