Dictyostelium discoideum野生型NC-4細胞の軸性増殖とエンドサイトーシス能力との関係

要旨:Dictyostelium discoideum野生型株NC-4の軸性増殖方法について述べた。 NC-4株とNC-4から派生したaxenic株Ax-2の栄養要求量にはいくつかの相違点があった。 培地中の多くの成分のうち、ペプトンの性質と濃度がNC-4細胞の軸生増殖に特に重要であり、3%のBacteriological-peptone(Oxoid)が最良の増殖速度と収量を与えた。 NC-4細胞はAx-2細胞より多くのビタミンB12を必要とするようであった。 葉酸、ビオチン、リボフラビンなどの他のビタミン類もNC-4細胞の軸索伸長を促進させた。 ピノサイトーシスをFITC-デキストランを用いて調べた結果、上記ペプトンはNC-4細胞、Ax-2細胞ともにピノサイトーシス活性をかなり高めることがわかった。 バクトペプトン(Difco)もまた、NC-4細胞の軸索伸長を支持することはなかったが、同程度にピノサイトーシスを増強した。 したがって、ピノサイトーシスの刺激は栄養の取り込みには必要であるが、軸索の成長には十分でない可能性がある。 細胞のピノサイトーシス能は、発生過程、特に凝集の直前に顕著に低下した。 このことの生物学的意義について、細胞の分化との関連で考察した

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