RESULTS
出発物質の-は既知の方法(32)で合成された。 単結晶X線解析により、-から+ナノクラスターへの2段階の分子手術過程の詳細が明らかになった(図1B)。 第一段階では、Au/Ag = 1:0.07 のモル比で少量の AgI(SR) を加えて – をターゲットドープし、銀ドープ Au クラスター – (x ~ 1)を得た。 ドーパントであるAgは、-中の特定の2つの位置(中心対称)にあることがわかった(図1B、中央)。 次のステップでは、金(I)-ジホスフィン錯体Au2Cl2(P-C-P)と反応させて、-を+に変換した。 その結果、ドーパントAgは逆にAuに置き換わり、一方、ドーパントAgサイトを保護する2つの単量体RS-Au-SRモチーフもAu2Cl2(P-C-P)(33)の反応物からのP-C-Pモチーフで交換されていることが分かった。 この金属と表面モチーフの同時交換により、新しい+クラスターと、ドーパントAgがクラスターから引き抜かれてできた銀含有対イオン、AgCl2-が生成した。
図2に-、-、+のX線構造の詳細を示す。 以前の研究(32)では、-は15原子の両錐型Auコア、すなわち13原子の立方八面体に2つの余分な「ハブ」金原子(図2A、青色)を持ち、表面保護用のステープルモチーフを一緒に連結している構造について報告された。 コアは、2つのベルト状の3量体Au3(SR)4と2つの単量体Au(SR)2ステープルモチーフ、および4つの単純な架橋SRリガンドによって保護されている。 の構造を図2Bに示す。 15原子からなる両錐体型のAu-Agコアを左側に示している。 Agが存在する特定の部位は2つだけである(中心対称性)。 これは、Ag原子が多くのサイトに分布している、これまでに報告されたAu/Ag合金ナノクラスターとは異なる(31, 34, 35)。 結晶学的に独立した2つのクラスターにおいて、Agの占有率は位置1で31.5%と30.0%、位置2で12.7%と6.4%と低いことが決定された。 X線結晶学的に平均化された組成は-であり、分数占有率はAuまたはAg原子の組成変動に起因している。 TOA+対イオンが1個見つかったが、重い乱れを示しており、-に銀をドープする過程で-1電荷が保持されていることがわかる。
+の構造を図2Cに示す。 では15原子のビピラミッド型コアは維持されているが、2つのハブ金原子の位置がずれている。 では、2つのハブ金原子(Au-2と表示)はAu-3に近く、その距離は3.234と3.245Å(図2A)であるが、Au-1とAu-2の距離は3.462Åと非常に大きいので結合は形成されていない。 しかし、+ではAu-2原子はAu-1に近く、距離も2.934 Åとはるかに短いため、結合が形成される。 また、+ではAu-2とAu-3の距離は3.425Åであり、Au2-Au3結合は形成されない。 コアAu-Au結合の平均長さは+で2.95Å、-で2.98Åである。 表面Au-Au結合については、+と-での平均長はそれぞれ3.08Åと3.16Åであった。 Au21の結合距離が短いため、光励起粒子の放射性崩壊が促進される可能性がある。 表面ではより大きな変化が起こる。 驚くべきことに、2つの単量体S-Au-Sモチーフは、もともと2つのドーパントAg-1とAg-2を保護していたが(部分占有)、Au2Cl2(P-C-P)錯体からのP-C-Pモチーフに交換され、さらに2つのドープ部位はホモ金となる。 2つのP原子はAu-1およびAu-2とそれぞれ2.288Åおよび2.293Åの距離で結合している。 図3Aに示すように、各P-C-Pモチーフには2つのフェニル環がπ-πスタッキングを介して並列に配置されている。 また、銀を含む対イオン、AgCl2-も同定されている。 AgCl2-アニオンはCs錯体では既に報告されているが(36)、金属ナノクラスターでは今回の研究まで銀を含む対イオンは同定されていなかった。 Ag-Cl 結合長は 2.348 Å であり、AgCl2- はほぼ直線的な配置(Cl-Ag-Cl の角度は約 175°)を示し、これは既報の金属錯体 (36) と同様であった。 単結晶中の+-のパッキングを図3Bに示すが、各単位セルは2つの+と-で構成されている。 クラスターと1対1の割合でAgCl2-対イオンが存在することから、+の電荷が1であることがわかる。 1価のチオラート配位子と中性のホスフィン配位子から見て、金のコア自由価電子(6s1)の公称数は8e(すなわち、21 – 12 – 1 = 8e)で、-と-として等電荷であることがわかる。
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