乳がんリスク評価専門クリニックにおけるGailモデルの限界

Gailモデルは、一般の乳がんリスクスクリーニングに正確なリスク評価ツールである。 しかし，このモデルが家族歴情報を取り込む方法は限られているため，乳がんリスク評価専門クリニックに通院する多くの女性にとってリスクを過小評価する可能性が懸念される。 われわれは，CancerGene ソフトウェアの修正版を用いて，乳癌リスク評価専門クリニックに通う女性 213 人の包括的な乳癌リスク因子情報を収集した． 乳癌リスクは，Gail と Claus のモデル，BRCAPRO，Bodian の表（小葉新生物を有する女性用）を用いて算出した． 女性の86％が乳癌の家族歴を有していた。 女性の74％がGailモデルを混乱させると考えられる危険因子歴（二親等以内の乳癌の家族歴、50歳以前の乳癌の家族歴、両側乳癌の家族歴、卵巣癌の家族歴、小葉新生物の個人歴）を持っていたが、他のモデルを含めることによってリスクレベルの割り当てが増えたのは13％のみであった。 我々は、Gailモデルが専門クリニックに通院するほとんどの女性にとって適切なリスク評価ツールであると結論付けたが、すべての女性に対応するためには、家族歴情報と小葉新生物の個人歴をより適切に考慮したモデルを含めることが必要であると思われる。