フラボ鉄タンパク質Flv2/Flv4による光防御機構は、シアノバクテリアのフィコビリソームと協力してPSIIの励起圧を分散させる

Abstract

酸素光合成は植物の葉緑体の祖先にあたるシアノバクテリアで進化してきた. 光合成は植物の葉緑体の祖先であるシアノバクテリアによって進化したが,水分解の酸化力が強いため,光合成機構を保護する効率的な光保護機構の進化が同時に求められていた。 フラボジ鉄タンパク質(FDP)は、もともとA型フラボタンパク質またはFlvと呼ばれ、その役割はごく最近になって認識されるようになった。 シアノバクテリアのFDPは、酸素光合成を保護するために進化した特殊なタンパク質群である。 Synechocystis sp. PCC 6803には、4つのFDP(Flv1〜Flv4)が存在する。 そのうちの2つ、Flv2とFlv4は、Sll0218タンパク質とともにオペロンによってコードされている。 これらの発現はCO2濃度によって厳密に制御されているが、光強度の変化にも影響される。 本論文では、Synechocystis sp. PCC 6803におけるFlv4-2オペロンの過剰発現について述べ、PSIIの光化学反応が改善されることを実証した。 flv4-2/OE 変異体は、PSII の光阻害に対する耐性が高く、対照株と比較して、プラストキノンプールの酸化状態や一重項酸素の生成量が減少していることがわかった。 生物物理学的測定の結果、flv4-2オペロンはPSIIからの代替電子伝達経路として機能し、PSII由来の電子を最大で30%チャネルすることでPSIIの励起圧を緩和していることが明らかになった。 さらに、flv4-2 オペロン遺伝子の安定発現と Flv2/Flv4 ヘテロダイマーを介した電子伝達機構には、無傷のフィコビリソームが必要であることがわかった。 後者は、オレンジカロテノイドタンパク質による非光化学消光と相補的な形で光防御に働いている。 一方,シアノバクテリアでは,光ストレスによるFlv4-2オペロンの発現とPSII中心のD1フォームの交換は,互いに排他的な光防御戦略であった

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