シュレム管の流れと原発開放隅角緑内障への影響

原発開放隅角緑内障(POAG)は失明の大きな原因であり、世界で6500万~7000万人が苦しんでいます(図1)。 眼球は房水(AH:毛様体から分泌される水様物質)を産生し、虹彩の裏側から瞳孔を経て前房(AC)に流れ込み、排莢角から眼球外に排出されます。 排水口からは、生体フィルター(海綿状網膜)を通って、眼球からの主な排水経路であるシュレム管(SC)に入り、最終的には「コレクターチャネル」に排出されます。 POAGは、この排水機構に何らかの障害が発生した場合に起こります。 その結果、眼圧が上昇するのです。 緑内障と眼圧の上昇は同義ではありません。 緑内障は眼圧の上昇を伴うことが多いのですが、実際は視神経の障害なのです。 しかし、眼圧の上昇は眼に悪影響を及ぼす可能性があると考えられています。 そこで、本研究では、ACからTMを経てSCに至るAHの流れをモデル化し、この流れを眼圧の変化の予測と結びつけることを目指します。

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